こんにちは。
制作者の皆さんは、Audiostock(オーディオストック)という、やや大手寄りの国内の楽曲販売サイトがあることはご存じでしょうか?
ストックミュージックサービス「Audiostock」は、
ロイヤリティフリー形式で、BGMや効果音などのライセンスを販売するサービスです。
(引用)
どうにかしてこのページにたどり着いた方は、BGMのストック販売(クリエイター)や、BGMのライセンス購入(購入者)に少なからず興味のある方と推察します。
この記事の筆者は、区分でいえば【購入者】です。これまでに購入した点数は、BGM、効果音合わせて81(曲)になります。オーディオストックのクリエイターとしては何も活動しておらず、購入専門になります。
購入作品数 : 81曲
(2018年10月 時点)
このページは、そんな立ち位置の者から、僭越ながらクリエイターにメッセージさせていただく趣旨のページになります。オーディオストック攻略を目指すクリエイターの助けになれば幸いです。
購入者は……もう好きに購入してくださいって感じです。
POINT① お気に入りクリエイターという別格枠
いきなり本質を突いた核心部分を述べてしまいますと、オーディオストックでは、「お気に入りクリエイター」と「その他のクリエイター」という明確な区別が購入者にあります。
この区別は、以下に書かれているPOINT②以降の要点をぶっちぎり引き離す、桁違いの差です。優れた使いやすいBGMは勿論のこと、尖った差を作ることが難しい汎用曲の検討では、購入率に決定的な差が生じます。
お気に入りクリエイターとそうでないクリエイターに同じような楽曲が存在した場合、お気に入りクリエイターの楽曲を必ず選択しています。これがひっくり返った事例は一度もありません。
お気に入りクリエイターのBGMというだけで、実際に購入する割合が高いのです。私の購入作品の圧倒的多数を占めるのは、お気に入りクリエイターの作品です。裏を返せば、そもそもお気に入りクリエイターの区分に入っていないならば、再生(試聴)を繰り返すかもしれませんが購入に至ることは極めて稀です。
もちろん、お気に入りクリエイターと言えども、出てくる新作を全て購入しているわけではありませんが、新作は全て確実に試聴することは間違いありません。その他のクリエイターの新作は、試聴に至らずそのまま埋もれていくことも珍しくありません。何かの拍子に偶然試聴しない限りは、試聴することも無いのです。
オーディオストックに登録したクリエイターは何をすべきかといえば、まずは確実にお気に入りクリエイターに入るように狙うことを目指すべきです。そうしないと、新作をいくら出そうと、購入候補者(購入する可能性があるユーザー)に試聴される回数が大きく減ることになります。
お気に入りクリエイターに入っている方は、私から楽曲のアレンジを依頼したり、ループ版の制作を依頼したり、何らかの手段を用いて感想をお送りすることがあります。(該当する方は、既にお気に入りクリエイターに登録済みと考えて良いです)
POINT② 価格はあまり関係ない
購入者はライセンス価格の安さでBGMや効果音を検討していると考えたりしたことはありますか? それは大きな誤りです。
もちろん、極端に高価な価格設定の作品は敬遠する可能性が高いですが、価格よりも、使えるかどうかと、単体のクオリティを重視しています。
なぜなら、オーディオストックのライセンスは無期限、かつ適用作品数が無制限だからです。仮にライセンスが年間毎に支払いが必要ならば、ランニングコストを考えて価格を重視する可能性が高いですが、支払いは一度だけのライセンス買い切り制ですので、予算内ならば何百曲購入しても問題はないんですね。
POINT③ 波形を見ているぞ……
オーディオストックに登録された曲は、リストに表示されているとき、曲全体の波形が見えていますよね。あの波形、面白いことに滅茶苦茶重視しています。
これは本当です。お気に入りクリエイターではない場合、波形を見て試聴するかどうかを決めていたりします。波形をみて察した場合は、そもそも試聴をしません(スルー対象)。
※お気に入りクリエイターは文字通り全部、試聴しております。
どうやら私達購入者は、オーディオストックの膨大な数の楽曲の試聴に慣れてくると、波形を見て楽曲のクオリティや傾向を予想できてしまうようなのです。恐ろしいことに、この精度は妙に高く、おかげさまで試聴の手間を省くことができるようになりました。
POINT④ 曲の長さも重要
あまりにも短いと用途的にBGMとして購入できない場合があります。目安は1分30秒~が望ましく、1分を下回るものは完全回避することが多いです。
キャッチに使えることもありますが、キャッチは使用曲数が少ないので数曲揃ったら、それ以上の購入はありません。
POINT⑤ タイトルで試聴を回避することがある
具体例を載せておきますね。
○良いタイトル
「ドラマチックなフルオーケストラ」 → 100%試聴する
△あまり良くないタイトル
「ゆったりとした美しいピアノソロ」 → 試聴回避(理由:使い道が謎)
※お気に入りクリエイターなら良タイトル
×悪いタイトル
「季節感溢れる感動的なEDM」 → 試聴回避(理由:EDMって何?)
「疾走感のあるD&B」 → 試聴回避(理由:D&Bって何?)
「可愛いアイドルの4つ打ち曲」 → 試聴回避(理由:4つ打ちって何?)
「ドキドキする軽快なOP」 → 試聴回避(理由:使い道が謎)
「RPGの戦闘曲」 → 試聴回避(理由:こういった表記の戦闘曲は使えない曲が多いため(ひどいよぉ!))
「明るくて元気なループ素材」 → 試聴回避(理由:素材って書いている曲は使えない曲が多いため)
上記の判断は、購入者が音楽の素人の場合です。プロが購入する場合はまた違った結果になる可能性があります(プロが購入しているのかは不明ですが)。
なぜ回避するの? と問われても答えようがありません。参考の一つ程度にお願いしますね。
一つ言えることは、オーディオストックの登録作品で「ドラマチックなフルオーケストラ」のように堂々と書かれている場合、全く使えない曲である可能性は比較的低いためです。本当のところは聴いてみないと分からないですが、そのような傾向を読み取り、こうした一連の判断に落ち着いています。
逆に、使えない楽曲ほど専門的な用語をタイトルに含める傾向が強いと感じています。これらは登録済み楽曲の全体的な傾向です。原因はよく分からず、オーディオストック特有のものと今では考えています。
POINT⑥ クリエイター名で回避することがある
おそろしいことですが、クリエイターのお名前(オーディオストック上の登録名)を原因として、すべての試聴・購入を回避することがあります。実際に数例あるので……。
残念ながら実例を示すことができません。
これに該当してしまうと、お気に入りクリエイターの真逆の扱いになり、どれほど優れた新作が出てきても完全スルーとなります。対策は、(システム上、出来るのかどうか存じ上げませんが)登録名を変更するしかありません。
作曲者名をクレジットに掲載することが難しいお名前は(審査されているのか)まず見掛けませんのでその点は心配無用ですが、クレジットに掲載することは可能でも全体的に(雰囲気が)ふざけた名前だったり、面白くもない語呂合わせのような名前だったり、「!」記号や「?」記号を含む名前は結構危ないです。ドット「 . 」くらいなら全然大丈夫ですが(お気に入りクリエイターに、ドット含みの名前の方も入っています)。
つまり、オーディオストックの審査としてはOKですが、購入者にとってはNGの名前は存在するようなのです。というか実際あるのでお知らせしています。困ったものですね。
POINT⑦ 楽曲の説明文 → 物凄く参考にする
オーディオストックから登録時にどのようにアドバイスされているか知りませんが、説明文をおざなりにしても良いことはありません。
購入者は説明文を、クリエイターからの貴重な情報として扱っています。実は、購入者がクリエイターの作曲意図を読み取る術はそれほど多くありません。説明文は貴重な情報源です。
楽曲のタイトルもありますが、タイトルは試聴してもらうためのキッカケとして捻ってある場合もあり、内容と一致しないこともあるので購入者はあまりタイトルを頼れません。正直なところタイトルは半信半疑で見ています。楽曲の個別ページの説明文に、本当のことが書かれているものと見なしています。
その説明文から楽曲をどう使うかの情報が得られないと、寂しい気分になります。それだけなら勝手にしろって感じですが、実際に購入率に影響してくるので侮れませんナ……。
POINT⑧ タグ付けは半信半疑
登録時のタグ付けはカオスになっていることがよくあるので、最早ほとんど見ていません……。
タグ付けはもう好きにしてください。説明文と波形のほうが桁違いに重要です。
POINT⑨ 自己紹介・プロフィールを空欄にすると……
お気に入りクリエイターに入る可能性がゼロになります。
それでもいいならどうぞ……。
個々の楽曲の購入率に特に影響はありません。空欄の方の作品も購入しています。しかし、お気に入りクリエイターに入らないことによる機会損失は結構ありそうです。
購入者としては、どんなに長くてもいいので自己紹介・プロフィールを読みたいですね。誰が作った楽曲か? というのはとても重要なことなのです。
ちなみに、制作に使われている機材の紹介ですが、私の例ですと何一つ内容を理解しておりませんので、何を言っているのか分からないがとにかく沢山機材を持っていることは分かった。という感想を抱くのみです。例えるなら、クリエイターの皆さんがオリジナル曲の制作の打ち合わせの際に、私からRPG制作環境(依頼曲とは直接関係ない情報)について事細かに説明したときに、皆さんが心の内に抱くであろう微妙な感想に近いものがあります。プラスにもマイナスにもなりませんので、好きに書けば良いのではないでしょうか。
POINT⑩ 再生回数が多いのは、クオリティが今一つだから
クオリティが微妙で、今一つ購入の決め手に欠ける場合にBGMの再生回数が増えてしまうことがあります。楽曲をお気に入りリストに追加した後、日を置いて、何度も試聴を繰り返すためです。
購入を即断できるレベルの楽曲の場合、即時に購入して以降は試聴しませんので、再生回数を増やすことはないのです。
このような楽曲は、(他に選択肢が限られており)最終的に購入する場合もありますが、やはりどうしても候補から外れていくことのほうが多いので、再生回数がやたら多いのに購入数が少ない場合は要注意です。
購入者が、この曲は今一つ、と考えていても、それをクリエイターに伝える手段はオーディオストックのシステムでは何も用意されていませんし、用意されていたとしてもそれは伝えることなのか? という気もします。完全に第三者となる見知らぬ購入者から「この曲は今一つです」と感想を貰っても、クリエイターの本音は「お前の意見聞いてねぇから」となる可能性もあります。積極的に意見を伝えることは、しないでしょうね……。
ただし、再生回数が多い場合、お気に入りクリエイターの場合は話は別です。「お気に入り作品一覧」から単に暇つぶしに聴いているだけのこともよくあり、購入済みの曲を再生したりしますから、購入回数はともかく再生回数が指標としてアテになるかどうかは微妙なところ。
同じ再生回数でも、意味が異なります。オーディオストック側ではちゃんと区別されているのでしょうか? クリエイター用の画面を見たことがないので、謎ですねぇ……。